おきつ【興津】
静岡県静岡市の地名。もと東海道の宿駅。清見(せいけん)寺・清見関(きよみがせき)跡がある。
おき・つ【掟つ】
[動タ下二] 1 あらかじめ心に決める。計画する。「(山吹ノ花ハ)品高くなどは—・てざりける花にやあらむ」〈源・幻...
おき‐つ【沖つ】
[連語]《「つ」は「の」の意の格助詞》沖の。沖にある。
おき‐つ‐うみ【沖つ海】
海の沖のほう。沖合の海。「—みなそこ深く思ひつつ裳引き馴らしし菅原の里」〈夫木・三一〉
おき‐つ‐かい【沖つ櫂】
沖をこぐ船の櫂。「—いたくな撥(は)ねそ」〈万・一五三〉
おき‐つ‐かぜ【沖つ風】
沖を吹く風。また、沖から吹いてくる風。「若の浦に白波立ちて—寒き夕(ゆふへ)は大和し思ほゆ」〈万・一二一九〉
おき‐つぎ【置き注ぎ】
手に持たないで下に置いたままの杯に酒をつぐこと。
おき‐つ‐くに【沖つ国】
沖のかなたの遠い国。黄泉(よみ)の国をさすかともいう。「—領(うしは)く君が塗り屋形丹塗りの屋形神が門渡る」〈万・...
おき‐つけ【置(き)付け】
いつもその場所に置いたままにしておくこと。
おき‐つ‐しまもり【沖つ島守】
沖にある島の番人。「わが髪の雪と磯辺の白波といづれまされり—」〈土佐〉
おき‐つ‐しまやま【沖つ島山】
滋賀県の琵琶湖にある沖島(おきのしま)の古称。[歌枕]「近江(あふみ)の海—奥まけてわが思ふ妹が言の繁けく」〈万・...
おき‐つ‐しらなみ【沖つ白波】
沖に立つ白波。「なごのうみの霞の間よりながむれば入る日をあらふ—」〈新古今・春上〉 [補説]沖の白波が「立つ」とこ...
おき‐つ‐たまも【沖つ玉藻】
沖の美しい藻。「靡(なび)く」の序詞として多く用いられる。「わたつみの—のなびき寝む」〈万・三〇七九〉
おきつ‐だい【興津鯛】
静岡県興津地方の沿岸でとれるアマダイ。
おき‐つち【置(き)土】
1 地面の上に、さらに土を置くこと。上に土をかぶせること。 2 ⇒客土(きゃくど)1
おき‐つづみ【置(き)鼓】
能の特殊な囃子事(はやしごと)の一。翁付(おきなつき)など、格別な能の会で、ワキの登場などに用いる。小鼓と笛だけで奏す。
おき‐つ‐とり【沖つ鳥】
[枕] 1 沖にいる水鳥の意から「鴨(かも)」にかかる。「—鴨といふ舟の帰り来ば」〈万・三八六六〉 2 沖にいる水...
おき‐つ‐なみ【沖つ波】
[名]沖に立つ波。「—来寄する荒磯(ありそ)をしきたへの枕とまきて寝(な)せる君かも」〈万・二二二〉 [枕]波の動...
おきつ‐のり【興津海苔】
オキツノリ科の紅藻。本州・九州などの海岸の潮間帯に多くみられ、高さ約5センチ。やや硬くて扁平で、枝分かれして扇状に...
おき‐つ‐みかみ【沖つ御神】
沖を支配する神。また、沖または沖の島を神格視していった語。「珠洲(すず)の海人(あま)の—にい渡りて」〈万・四一〇一〉
おきつも‐の【沖つ藻の】
[枕]沖の藻が波になびくところから「靡(なび)く」にかかる。「—なびきし妹(いも)は」〈万・二〇七〉