おい‐な・す【負ひなす】
[動サ四](修飾語を受け)その状態に背負う。「尻籠(しこ)の矢、筈下りに—・して」〈義経記・五〉
おい‐なみ【老い次】
《「なみ」は動詞「な(並)む」の連用形から》年をとること。また、その境遇。老境。老年。「事もなく生き来しものを—に...
おいなめ‐も・つ【負ひ並め持つ】
[動タ四]あわせ持つ。一緒に持つ。「我が持てるまそみ鏡に蜻蛉領巾(あきづひれ)—・ちて馬買へ我が背」〈万・三三一四〉
おいなり‐さん【御稲荷さん】
1 稲荷神、また、稲荷神社を敬い親しんで呼ぶ語。「小さい—のある近所に」〈鴎外・雁〉 2 稲荷鮨(ずし)を丁寧にいう語。
おい‐な・る【生ひ成る】
[動ラ四]成長する。育つ。成人する。「いと美しう—・りにけり」〈更級〉
おい‐なわ【負(い)縄】
物をしばり背負うのに使う縄。
おい‐なわ【追(い)縄】
放し飼いの馬を捕らえるのに使う縄。
おいにっき【笈日記】
江戸中期の俳書。3冊。各務支考(かがみしこう)編。元禄8年(1695)成立。東海・近畿の蕉門の発句700余句などを...
おい‐ぬき【追(い)抜き】
1 追い抜くこと。追い越し。 2 《「団体追い抜き競技」の略》⇒チームパシュートレース
おい‐ぬ・く【追(い)抜く】
[動カ五(四)] 1 先に出たものに追いつき、さらにその先に出る。追い越す。「最後の一〇〇メートルで—・く」 2 ...
おいぬ‐こども【御犬子供】
江戸城の大奥に仕え、雑用をしていた少女。おいぬ。
おい‐の
[感]応答するときの語。多く女性が用いる。はい。おいのう。「『いやあお千世か』『—』」〈浄・宵庚申〉
おい‐の‐いってつ【老いの一徹】
老人が、自分の決めたことをどこまでも押し通して、他人の意見を聞こうとしないこと。「—に手を焼く」
おい‐の‐いりまい【老いの入舞】
年をとってから最後の一花を咲かせること。「そのまま人の嫌ふ事をも知らで—をし損ずるなり」〈花鏡〉
おい‐の‐かたうど【老いの方人】
老人のために気を吐く人。年寄りの味方。「この人の後には誰にか問はん、などいはるるは、—にて」〈徒然・一六八〉
おい‐の‐くりごと【老いの繰(り)言】
老人が、言ってもしかたのないことを、くどくどと繰り返し言うこと。「—と聞き流す」
おい‐の・ける【追い退ける】
[動カ下一][文]おひの・く[カ下二]追って、そこからどかせる。追い払う。「暁の光は次第に四方(あたり)の闇を—・...
おいのこぶみ【笈の小文】
江戸中期の俳諧紀行。1冊。松尾芭蕉著。宝永6年(1709)刊。貞享4年(1687)10月に江戸を出立し、尾張・伊賀...
おい‐の‐さか【老いの坂】
苦難に耐えながら年をとってゆくのを、坂道を上るのにたとえた語。
おい‐の‐さか【老ノ坂】
京都市と亀岡市との間にある峠。山陰道の京都への入り口。標高193メートル。老齢を重ねることに掛けても用いる。 [補...
おい‐の‐つもり【老いの積もり】
年齢が重なって老いること。「—にや、悩ましくのみして、もの心細かりければ」〈源・関屋〉
おい‐の‐なみ【老いの波】
老齢になること。「年寄る」の「寄る」の縁で「波」を出し、また顔に寄るしわから波を連想した言い方。「—磯額(いそびた...
おい‐の‐はる【老いの春】
1 晩春と人の老齢とを掛けていう語。「花鳥になほあくがるる心かな—とも身をば思はで」〈風雅・雑上〉 2 老いて迎え...
おい‐の‐ひがみみ【老いの僻耳】
年をとって耳が遠くなり、聞き誤りが多くなること。また、ひがんで悪く解釈すること。
おい‐のぼ・る【生ひ上る】
[動ラ四]草木などが生長して丈が高くなる。「しげき蓬(よもぎ)は、軒をあらそひて—・る」〈源・蓬生〉
おいのり‐ぶぎょう【御祈奉行】
鎌倉幕府・室町幕府の臨時の職。陰陽家や僧侶に、将軍家の疾病や怪異・天災などを払う祈祷(きとう)をさせた。祈奉行。
おいのり‐メール【御祈りメール】
就職試験において、不採用であることを知らせる電子メール。就職活動中の学生などが使う俗語で、多く、文末に「今後のご健...
おい‐はぎ【追(い)剝ぎ】
通行人を襲い、衣服・持ち物などを奪い取ること。また、その盗賊。ひきはぎ。「—にあう」
おい‐はご【追(い)羽子】
「追い羽根」に同じ。
おい‐は・てる【老(い)果てる】
[動タ下一][文]おいは・つ[タ下二]年をとり衰える。「往年の名優もすっかり—・てた」
おい‐はな・す【追(い)放す】
[動サ五(四)] 1 とらえていた鳥獣を自由にする。「傷のなおった鷹(たか)を山に—・す」 2 「おいはなつ1」に...
おい‐はな・つ【追(い)放つ】
[動タ五(四)] 1 遠くへ立ち退かせる。「反対派を国外へ—・つ」 2 「おいはなす1」に同じ。「獣ヲ山ニ—・ツ」...
おい‐はらい【追(い)払い】
1 追い払うこと。「農作物を荒らす害獣の—に知恵を絞る」 2 江戸時代の刑罰の一。長崎で、市中・郷中から追放した刑...
おい‐はら・う【追(い)払う】
[動ワ五(ハ四)]じゃまなものを追い立てて、そこにいないようにする。おっぱらう。「ハエを—・う」「その一言が私の不...
おい‐ばね【追(い)羽根】
二人以上で、一つの羽根を羽子板でつき合う正月の遊び。追い羽子(はご)。《季 新年》
おい‐ば・む【老いばむ】
[動マ四]年寄りじみる。「—・みたる者こそ火桶(ひをけ)の端に足をさへもたげて」〈枕・二八〉
おい‐ばら【追(い)腹】
家来が、死んだ主君のあとを追って切腹すること。供腹(ともばら)。「—を切る」⇔先腹(さきばら)。
おい‐ばらい【追(い)払い】
[名](スル)あとから追加として支払うこと。追加払い。「時効になった年金の—対象者」 [補説]「おいはらい」は別語。
おい‐びと【老い人】
《「おいひと」とも》年寄り。老人。「—の若き人に交はりて」〈徒然・一一三〉
オイペン
ベルギー東部、リエージュ州の都市。ドイツとの国境に近い。もとはリンブルフ公領だったが、第一次大戦後にマルメディとと...
おい‐ぼれ【老い耄れ】
《古くは「おいほれ」とも》老いぼれること。また、老いぼれた人。老人が自分を卑下していう場合や、老人をののしっていう...
おい‐ぼ・れる【老い耄れる】
[動ラ下一][文]おいぼ・る[ラ下二]《古くは「おいほれる」とも》年をとって、からだや心の働きが鈍くなる。「—・れ...
おい‐ぼし【追(い)星】
コイ・サケなどの魚類の生殖期に、雄の頭部やひれに現れる多くの白い円錐(えんすい)形の小突起。
おいぼれハムレット
橋本治による小説。シェークスピアの戯曲「ハムレット」の後日譚を落語調の文体で描く。平成30年(2018)刊行。
おい‐まくら◦れる【追い捲られる】
[連語]《動詞「おいまくる」の未然形+受身の助動詞「れる」》「追い捲る2」に同じ。「過密スケジュールに—◦れる」
おい‐まく・る【追い捲る】
[動ラ五(四)] 1 激しく追い立てる。徹底的に追い散らす。「どこまでも敵を—・る」 2 (多く「…に追いまくられ...
おい‐まさ・る【生ひ優る】
[動ラ四]成長するにつれて容姿が美しくなる。「沼水に君は生ひねど刈る菰(こも)のめに見す見すも—・るかな」〈平中・三七〉
おい‐まつ【老い松】
長い年月を経た松。老松(ろうしょう)。 [補説]曲名別項。→老松
おいまつ【老松】
謡曲。脇能物。世阿弥作。都の人が天神のお告げで筑紫の安楽寺へ行くと、老松の精が現れ、飛び梅と追い松の伝説を語って舞...
おい‐まどわ・す【追ひ惑はす】
[動サ四] 1 追いかけているうちに相手を見失う。取り逃がす。「もし、また—・したらむ時と、危ふく思ひけり」〈源・...