」の濁音。硬口蓋の有声破擦子音[dʒ]と母音[i]とからなる音節。[dʒi]

[補説]清音「し」に対する濁音としては、本来、硬口蓋の有声摩擦子音[ʒ]と母音[i]とからなる音節[ʒi]が相当するが、現代共通語では一般に[dʒi]と発音する。しかし、[ʒi]とも発音し、両者音韻としては区別されない。古くは、[dzi](あるいは[dʒi][ʒi])であったかともいわれる。室町時代末には[ʒi]と発音され、近世江戸語以降[dʒi]と発音された。
  1. 地面。大地。つち。ち。「雨降って—固まる」

  1. ある土地。その地域。「—の物」「—卵」

  1. 物事基礎下地 (したじ) 。「—ができている」

  1. 化粧しない肌。素肌。「—が白い」

  1. 布・紙・金属などの、彩色加工細工などの土台となる部分。「黒い—に金の縫い取り」

  1. 織ったままの布地。また、布の材質。「—の厚いコート」

  1. 生まれつきの性格。また、本性。「つい—を出す」

  1. 文章の中で、会話文や引用文を除いた叙述部分。「—の文」

  1. 実地実際

  1. 10 囲碁で、石で囲んで自分のものとした部分

  1. 11

    1. ㋐日本舞踊で、伴奏音楽。また、それを演奏する人。地方 (じかた) 。

    2. ㋑日本音楽で、基礎楽句。特に、同じ楽句を何回も繰り返して奏するもの。

    3. ㋒三味線音楽で、上調子 (うわぢょうし) に対する基本調子。また、それを奏する三味線。

    4. ㋓能の地謡 (じうたい) のこと。

    5. ㋔義太夫節の地合 (じあい) のこと。

  1. 言語を書き表すのに用いる符号仮名漢字ローマ字梵字 (ぼんじ) ハングルなど種類が多い。文字。

  1. 漢字。「この—は難しい」「当て—」

  1. 筆跡。「これは彼の—ではない」

  1. (人の名や言葉の頭文字に「の字」を付けた形で)その人やそのことを婉曲にいう。「あいつは彼女にほの—らしい」

    1. 「お前の心もよの—の気も」〈人・梅美婦禰・三〉

  1. 紋所の名。文字を図案化したもの。

  1. 《一文銭の表面にある4文字のうちの一つの意、すなわち4分の1から》2分5厘。また、一文銭。

    1. 「一銭一—損かけまじ」〈浄・冥途の飛脚

  1. 楊弓 (ようきゅう) 双六などの賭けに用いる、紅白の紙に包んだ銅銭

    1. 勝負に賭くるおあしならんとありければ…いやいや—にて候はず」〈浄・松風村雨〉

てら。多く接尾語的に用いて寺院を数えるのに使う。「末寺数百—を数える本山

[名]
  1. つぎのもの。つぎ。「—年度

  1. 化学で、酸素酸などの一つの系統化合物中、酸化程度が標準的なものより低いことを表す語。「亜」よりさらに低いことを表す語。「—亜硝酸」

[接尾]助数詞。度数・回数などを数えるのに用いる。「二—方程式」「第二—募集
[名]
  1. 子供。「一—をもうける」

  1. 男子

    1. 「自然の—になろうか、又意志の人になろうか」〈漱石それから

[代]一人称の人代名詞。親などに対して子が自分のことをさすのに用いる。
    1. 「—は不幸にしていまだ良師を得ません」〈鴎外魚玄機

歌合わせや囲碁などで、勝負優劣がつけられないこと。引き分け。あいこ。もちあい。もち。

  1. 弦楽器の部分品の名。弦を乗せ、その位置によって振動する弦の長さを調節し、また音を胴に伝えるもの。→琴柱 (ことじ) 

  1. 琵琶柱 (じゅう) のこと。

[名]
  1. 時間単位。1時は一昼夜の24等分の1で、1分の60倍、1秒の3600倍。記号h

  1. 特定時刻特定時間。「ラッシュ—」

    1. 「初夜の—果てむほどに」〈・夕霧〉

[接尾]助数詞。時刻を表すのに用いる。「七—」

肛門部の病気の総称痔疾

  1. ことば。「歓迎の—」

  1. 漢文一体楚辞系統をひく様式で、押韻して、朗誦に適した文。陶淵明の「帰去来辞」など。

  1. 単語を文法上の性質から二つに分類したものの一。詞 (し) に対する。単独では文節構成しえず、常に詞(自立語)に伴って文節構成する語。助動詞助詞がこれに属する。時枝誠記 (ときえだもとき) 学説では、助動詞・助詞のほか、接続詞感動詞などもこれに含まれる。

  1. 印章。特に、天子印章

  1. 三種の神器の一。八尺瓊曲玉 (やさかにのまがたま) 。

    1. 「剣、—、内侍所わたし奉らるるほどこそ」〈徒然・二七〉

数の2。「—エチレングリコール」

[助動][○|○|じ|(じ)|(じ)|○]活用語の未然形に付く。
  1. 打消しの推量を表す。…ないだろう。…まい。

    1. 「人の心にはつゆをかしからと思ふこそ、またをかしけれ」〈・一三〇〉

  1. 打消しの意志を表す。…ないようにしよう。…まい。→まじ

    1. 「(双六 (すぐろく) ハ)勝たんと打つべからず。負けと打つべきなり」〈徒然・一一〇〉

[補説]連体形の例は少なく、已然形も「こそ」の結びとして用いられるだけである。室町時代以降、「まい」「まじい」に吸収され用いられなくなる。

[接頭]

  1. 自分の意を表す。「—意識

  1. 時間場所を示す名詞に付いて、起点を示す。「—八時至二〇時」「—東京至京都」⇔至 (し) 

[接尾]体言に付いて、シク活用の形容詞をつくる。
  1. …ではない、…に関係ない、などの意を表す。「時 (とき) —」

  1. それらしいさま、そのようなようす、などの意を表す。「男—」「鴨—」

[補説]2は、一般に「じもの」の形で用いられる。→じもの
[接尾]《古くは「ち」か》助数詞。数詞に添えて、ものを数えるときに用いる。→ち(箇)
  • 「ななそ—、やそ—は海にあるものなりけり」〈土佐
語素《「ち(道)」の濁音化》
  1. 地名を表す語の下に付いて、その地方への、また、その地方を通過する道という意を表す。「北陸—」「大和—」

  1. 日数を表す語の下に付いて、それだけかかる道のりという意を表す。「二日—」

  1. 十年を区切りとする年齢を示す。…十代。「四十— (よそじ) 」

〈士〉⇒

〈仕〉⇒

じょ

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