1. 五十音図ハ行の第3音。両唇の無声摩擦子音[Φ]と母音[u]との結合した音節。[Φu]

  1. 平仮名「ふ」は「不」の草体から。片仮名「フ」は「不」の初2画から。

[補説](1) 「ふ」は、奈良時代以前には[pu]であったかともいわれる。(2) 「ふ」は、平安時代半ば以後、語中語尾では、一般に[u]と発音されるようになった。これらは、歴史的仮名遣いでは「ふ」と書くが、現代仮名遣いでは、すべて「う」と書く。(3) 書名別項。→

に。ふたつ。声に出して数をかぞえるときにいう語。ふう。「ひ、二、み、よ」

  1. ぬの。「敷 (しき) 布」「葛 (くず) 布」

  1. 布銭 (ふせん) 

草木が茂る所。複合語として用いられることが多い。「浅茅 (あさぢ) 生」「芝生」「園 (その) 生」「蓬 (よもぎ) 生」

「白檮 (かし) の―に横臼 (よくす) を作り」〈・中・歌謡〉

  1. 地方公共団体の一。現在は大阪京都の2府がある。→都道府県

  1. 国の行政機関の一。「内閣府」

  1. 物事の中心となる所。「学問の府」「行政の府」

  1. くら。特に宮廷の文書・財貨を入れておく所。

  1. 役人が事務をとる所。役所。

  1. 江戸時代、幕府の所在地であった江戸をさしていう。

  1. 中国の行政区画の一。代から代まで、一般に県の上に置かれた。長官は唐では府尹 (ふいん) 以降は知府

《「歩兵 (ふひょう) 」の略。雑兵の意》将棋の駒の一。縦に一つずつ前進でき、敵陣の三段目以内に入って成ると、「と金」と称して金将と同格になる。

  1. 封戸 (ふこ) 」に同じ。

  1. ふう(封)1」に同じ。

    1. 「―ヲツクル」〈日葡

死亡の知らせ。訃報。訃音 (ふいん) 。「友の訃に接する」

  1. ある数が零より小さいこと。マイナス。⇔

  1. イオン電極などの電荷がマイナスであること。陰。⇔

  1. 夫のある女性。

  1. 女性。婦人。「まかない婦」

  1. 護符。守りふだ。

  1. 割符 (わりふ) 。

  1. 律令制で、上級官庁から直属の下級官庁へ出した公文書。差し出す官庁によって太政官符・省符・国符などとよばれた。→解 (げ) 

  1. めぐりあわせ。運。

    1. 「唐糸が、―のわるさ」〈伽・唐糸さうし〉

律令制で、皇太子の指導をつかさどった役。東宮傅。

まだら。ぶち。「斑の入った鯉」

  1. はらわた。内臓。臓腑。「胃の腑」「腑分け」

  1. 心。心根。性根。

    1. 「それほど我 (おれ) は―の無い奴か」〈露伴五重塔

  1. 植物のふし。

    1. 「天 (あめ) なるささらの小野の七―菅 (すげ) 手に取り持ちて」〈・四二〇〉

  1. こもやすだれ、また垣などの編み目。

    1. 「まを薦 (ごも) の―の間近くて逢はなへば」〈・三五二四〉

  1. 詩や歌。「惜別の賦」

  1. 詩経」の六義 (りくぎ) の一。比喩 (ひゆ) などを用いないで感じたことをありのままによむ詩の叙述法。

  1. 漢文の文体の一。対句を多用し、句末で韻をふむもの。「赤壁賦」

  1. 小麦粉から得られるグルテンで作った食品。生麩 (なまふ) 焼き麩とがある。

  1. 小麦の皮くず。飼料などにする。ふすま。

死者を弔って、その遺族に贈る金品。律令制では、位階によって額が決まっていた。賻物 (ふもつ) 。

  1. 音楽の曲節を符号で書き表したもの。楽譜。曲譜。「譜を読む」

  1. 物事を順序に従って系統だてて書き表したもの。系譜・系図の類をいう。

  1. 棋譜」の略。

[動ハ上二]《上代語》「ひ(干)る」に同じ。
  • 「妹が見し楝 (あふち) の花は散りぬべしわが泣く涙いまだなくに」〈・七九八〉
[補説]上代では、未然形・連用形に乙類の仮名が用いられているので、上二段活用であったと考えられる。平安時代以降は上一段化する。
[動ハ下二]へ(経)る」の文語形。
[動ハ下二]へ(綜)る」の文語形。
[助動][は|ひ|ふ|ふ|へ|(へ)]動詞の未然形に付く。動作・作用の反復・継続を表す。ずっと…しつづける。よく…している。しきりに…している。
  • 「つれもなき佐田 (さだ) の岡辺 (をかへ) に帰り居 (ゐ) ば島の御橋 (みはし) に誰 (たれ) か住まむ」〈・一八七〉
[補説]「ふ」は奈良時代特有の語で、まれに下二段活用として用いられる。また、主にラ行動詞に付くときは、「移ろふ」「誇ろふ」のように未然形語尾のア列音がオ列音に変わることがある。平安時代以降「移ろふ」「交じらふ」など特定の動詞に付き、接尾語化した。
[接頭]名詞または形容動詞の語幹に付いて、それを打ち消し、否定する意を表す。
  1. …でない、…しない、などの意を添える。「不必要」「不一致」「不確か」「不行き届き」

  1. …がない、…がわるい、…がよくない、などの意を添える。「不人情」「不景気」「不出来」「不手際」

[接尾]動詞の未然形の下に付いて四段活用動詞をつくる。もと、上代に用いられた反復・継続の意を表す助動詞「ふ」で、平安時代以降、特定の動詞にしか付かなくなり、接尾語化したもの。その特徴的な意味も失われている。「語らふ」「住まふ」「慣らふ」「はからふ」「向かふ」「呼ばふ」など。
[補説](1) 現代語でも、「住まう」「語らう」などの「う」にその痕跡が見られる。(2) 「流らふ」「伝たふ」「寄そふ」など、下二段活用動詞「流る」「伝(つ)つ」「寄す」に付いた「ふ」があり、これらは下二段型活用である。

〈甫〉⇒

〈歩〉⇒

〈補〉⇒

ふう

ねじめ正一の詩集。昭和55年(1980)刊行。翌年、第31回H氏賞受賞。