1. 様態の助動詞「そうだ」の語幹。「この本はおもしろ—ね」「雨が降り—」→そうだ1

  1. 伝聞の助動詞「そうだ」の語幹。「彼も行く—よ」「今日の試合中止だ—」→そうだ2

[名]二つで一組みとなるものの、両方。ふたつ。「—の肩」
[接尾]助数詞。一対のものを数えるのに用いる。「屏風 (びょうぶ) 一—」
  1. 左と右。また、かたわら。さゆう。「—の手」

    1. 「識 (さと) り難くして、—を顧みる」〈今昔・九・二七〉

  1. 左か右に落ち着くこと。決着。また、その成り行き。「吉 (きっ) —」

    1. 「軍 (いくさ) の—を待つとみるはひがごとか」〈平治・中〉

  1. 年齢などの数を表す語に付いて、その前後の数であることを示す語。

    1. 「三十—、細作りな美人」〈蘆花黒潮

  1. とやかく言うこと。非難すること。

    1. 「頼長と申すは…人柄も—に及ばぬうへ」〈古活字本保元・上〉

  1. 指図命令

    1. 「御所へ申し入れて、その御—に依るべしとて」〈盛衰記・三九〉

  1. あれこれの知らせ。便り。手紙

    1. 「御—遅しとぞ責めたりける」〈太平記・二一〉

中国の国名。

春秋時代列国の一。周公旦が、殷 (いん) 紂王 (ちゅうおう) の異母兄、微子啓を封じた国。都は商丘(河南省)。前286年に魏 (ぎ) の三国に滅ぼされた。
南北朝時代南朝最初の王朝。420年、東晋武将劉裕建国。都は建康南京)。479年、8世の順帝武将蕭道成 (しょうどうせい) (斉の高帝)に帝位を譲って滅びた。劉宋。
後周の節度使、趙匡胤 (ちょうきょういん) 後周のあとを承けて、960年に建国汴京 (べんけい) を都とし、文治主義による君主独裁制を樹立。1127年、侵入により江南に移り、都を臨安杭州)に置いた。それ以前北宋といい、1279年に9代で軍に滅ぼされるまでを南宋という。→靖康 (せいこう) の変

《「しょう」の直音表記》「せい(姓)1」に同じ。

「帝 (みかど) の御子、三春といふ—を賜はりて」〈宇津保藤原の君〉

  1. 根本とするもの。おおもと。

    1. 「好んで超邁 (ちょうまい) を—として」〈漱石吾輩は猫である

  1. 祖先のうちで有徳の人。

おきな。老翁。

「舟に乗りたる—の帽子したるが」〈宇治拾遺・六〉

天子に申し上げること。また、その文書。「遺令 (いりょう) の—」

  1. そのものの内面などを表す姿・形・ありさま。「憤怒の—」

  1. 人や物の外面に現れた運勢吉凶のきざし。人相手相家相など。「水難の—」

  1. 文法で、動詞によって表される動作作用性質・あり方とその表現のしかたに関する範疇 (はんちゅう) 。受身可能自発使役、また、自動他動敬譲など。態。

  1. ある物質の、どの部分をとってもその物理的、化学的性質が等しく、他と区別される領域気体液体固体それぞれからなる相を気相液相・固相という。

[名]
  1. 下書き。草稿。「—を起こす」

  1. 草書」の略。「楷 (かい) 、行 (ぎょう) 、—」

  1. 草仮名 (そうがな) 」の略。「—の手」

  1. 立花生花 (せいか) 役枝 (やくえだ) の一。構成上、全体を支える枝。地にあたるもの。

[接尾]壮 (そう) 
  1. 役所の中の部屋

    1. 「退きて—に至る」〈今昔・九・三一〉

  1. 仲間。また、一族。

    1. 「後の—たらんものに伝へよ」〈読・弓張月・残〉

しょう(笙)」に同じ。

「声いとおもしろく、—の笛吹きなどするを」〈・賢木〉

も(喪)」に同じ。

「親の—にあひて侍りける法師のもとに」〈拾遺・雑秋・詞書

室町時代、農村の自治組織。名主の中から選ばれた乙名 (おとな) 年寄沙汰人 (さたにん) などを中心に、寄合によって掟 (おきて) を定め、入会地 (いりあいち) 灌漑 (かんがい) 用水などの共同管理や年貢納入の請け負いを行った。惣村 (そうそん) 。惣中。

まばらに降る雨。

「颯々たる西風に—を吹き来て」〈菊亭香水・世路日記〉

死者をほうむること。葬儀

「あすは上の町より結構なる—がある」〈咄・露がはなし・五〉

  1. よそおい。「—を凝らす」

  1. 書物体裁装丁。「—を新たに再刊する」「フランス—」

  1. (梵)saṃghaの音写僧伽 (そうぎゃ) 」の略》

    1. 仏道を修行する人の集団三宝の一。

    2. 仏道を修行する人。比丘 (びく) 。出家。法師僧侶 (そうりょ) 。

  1. ある宗教に属し、修行や伝道をする人。「カトリック—」

  1. 考え。思い。また、芸術作品などの構想。「—をめぐらす」「作品の—を練る」

  1. (梵)saṁjñāの訳》仏語。五蘊 (ごうん) の一。対象の姿を心の中に思い浮かべる表象作用。

[名]
  1. 積み重なっているもの。重なり。「—をなす」

  1. 地位身分職業や生活状態・意識などによって区分した集団階層。「国民の幅広い—に支持される」「ファンの—が厚い」

  1. 地層区分するときの単位累層

[接尾]助数詞。建造物などの重なりを数えるのに用いる。「三—の塔」

弦楽器の一。長さ180センチ前後の中空の胴の上に絹製の弦を13本張り、柱 (じ) で音階調節し、右手の指にはめた爪 (つめ) で演奏する。奈良時代に中国から伝来。雅楽用の楽箏 (がくそう) のほか、箏曲用の筑紫箏 (つくしごと) ・俗箏 (ぞくそう) などがある。→琴 (きん) 琴 (こと) 

[名]すべてのもの。全体
    1. 「大勢の川を渡さん時、—を力にして渡るべし」〈盛衰記・三五〉

[接頭]名詞に付いて、全部の、すべての、という意を表す。「—収入」「—トン数」

琵琶 (びわ) の胴。

みさお。節操貞操

「謹て—を全うし」〈織田訳・花柳春話

古代中国で用いた土製などの蒸し器。湯を沸かす鬲 (れき) と合わせて甗 (げん) とする。こしき。

中国文学で、韻文一体屈原の「離騒」に由来する名称で、社会政治に対する憂憤を述べたもの。騒体。楚辞体。

[動ワ五(ハ四)]

  1. 長く続いているものに、離れないように付き従う。何かに並行した形で続いている。「流れに—・ってくだる」「道路に—・ってケヤキが植えてある」

  1. (「添う」「副う」とも書く)方針基準となるものに従い、それから離れないようにして何かを行う。「要求に—・った回答

[動特活]動詞そうろ(候)う」の音変化。中世語》
  1. あり」の丁寧語。あります。ございます。

    1. 「舜の時はさはさうなんだ」〈史記抄・一一〉

  1. 補助動詞として丁寧の意を添えるのに用いられる。…ます。…あります。

    1. 腹帯 (はるび) ののびてみえさうぞ」〈平家・九〉

    2. 「さてこそ第一は理、第二は智ではさうへ」〈西福寺本人天眼目抄・上〉
[補説](1) 活用形は、未然形・連用形・終止形・連体形が「さう」、已然形・命令形が「さうへ」。なお、命令形相当のものに「そひ」「そへ」もある。(2) 歴史的仮名遣いは「さふ」とも。

《「沿う」と同語源》

[動ワ五(ハ四)]
  1. そばを離れずにいる。ぴったりつく。「影の形に—・うようにいつも一緒にいる」「病人に—・って歩く」

  1. 夫婦になる。連れそう。「二人を—・わせてやりたい」

  1. 親しく交際する。「人には—・うてみよ、馬には乗ってみよ」

  1. 目的どおりになる。かなうようにする。「御希望には—・いかねます」

  1. すでにあるものの上に、他のものが加わる。付け加わる。「さらに趣が—・う」

[可能]そえる
[動ハ下二]そえる」の文語形。
[名・形動]
  1. 意気が盛んで勇ましいこと。また、そのさま。「その志を—とする」

  1. 30歳前後の血気盛んな年ごろ。また、その年ごろの男性。「—にして大家の貌がある」

[接尾](「草」とも書く)助数詞。灸をすえる回数を数えるのに用いる。
    1. 「此の日の灸、肩腎并せて曲池に百五十—」〈蔗軒日録〉

《「さ(然)」の音変化》

[副]
  1. そのように。「私も—思う」

  1. (あとに打消しの語を伴って)それほど。そんなに。「—大きくない」

[感]
  1. 相手の言うことに肯定同意するときに用いる語。「—、そのとおり」

  1. 相手の言葉に対する問い返しや、半信半疑の気持ちを表すときに用いる語。「あら、—」「—、信じられないな」

  1. 過去の出来事を思い出すときなどに用いる語。「—、あれは去年の夏のことだ」

[接尾]アパート・旅館などの名に付けていう語。「日の出—」「臨海—」
[接尾]助数詞。比較的小さい船を数えるのに用いる。「屋形船一—」

ぞう

surface acoustic wave》⇒弾性表面波

中国春秋時代小国。前487年、に滅ぼされた。

出典:青空文庫

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